偶然の木

橋村野美知 一輪挿し
橋村野美知 一輪挿し

 写真は、大きく繁る木の風景。一輪挿しです。いつも、色を重ねて吹いた生地を、サンドブラストという技法で削って、模様をつけています。下絵を描いて、その絵にそって削っていきますが、これは下絵にはない偶然の木。木の幹の線の色が、他よりずっと濃かったのか削り取れず、ここだけ残るのもおかしいので、木にしてみました。ちょっといい雰囲気です。木の下は、涼しくていい風が吹いている。そんな初夏の風景になりました。私の作品は、計画が半分、偶然が半分。愛すべき偶然。その偶然をどう生かしていくかを考える時間が、たぶん自分の心のバランスをとるのにとても役立っているとこの頃思います。n